ブックタイトル脳卒中障害者と家族のための初めの一歩ガイドブック~社会参加を支援するサービス・施策・支援機関~

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概要

脳卒中障害者と家族のための初めの一歩ガイドブック~社会参加を支援するサービス・施策・支援機関~

失語症者の声私は、発症してから1か月は寝たきりでした。最初は、五十音に書かれていること(文字)が全く分かりませんでした。「かかかかか、と言ってごらん」と言われても、練習しても「か…か…」としか言えなくて。それぐらい言葉は言えませんでした。それでも後遺症は治ると思っていました。娘が大きな紙に五十音を書いて、自宅に貼ってくれました。そのおかげで、自分で話をしようとした時に、それを見て覚えることができました。家だと、家族に「何が言いたいの~」と怒られます(笑)。“待ってよー”と思っても言えないから、黙っています。私は、失語症の知人には「外に出て人とお話しするといいよ」と言っています。失語症の人が歌を歌う会があり、今はそこで皆と歌を歌っています。自分が好きなことを楽しんでいますよ。??????女性 1998 年に脳出血発症引用:一歩いっぽ 第36 号、第39 号※脳卒中障害者(失語症)へのインタビューを元に作成しています。実際はとてもゆっくりと話しています。全ての人が同じ状況になるわけではありません。発症当時は、自分では正確に話しているつもりだったのですが、妻に言わせると、何を言っているかわからなかったそうです。聞くことも書くことも全くできませんでした。ほとんど何もできない状態で、辛かったです。今は新聞記事を読む練習をしています。毎日、記事を拡大コピーし、自分で辞書を引き、一語ずつ調べて覚えるようにしています。記事の半分くらいは自分で調べますが、わからないものは、妻に直してもらいます。「やらないよりはやったほうがいい」と思って続けています。何回も繰り返しやっているのですが、すぐに忘れてしまうのが非常に残念です。上手く喋れず、悩む日もありました。しかし「考えたってしゃ~ないな~」という感じですね。仕事で大きなストレスを抱えることだってありましたけど、結果、何とかなっていました。私は「いい加減」だと思うんですよ(笑)。妻や友人と国内旅行や写真展などに行っています。色々ダメになっても元気です。自分の言葉で、人とまともに話すことは難しくなりましたが、私の場合「いい加減」にいくのが一番いいなと思っています。男性 2013 年に脳梗塞発症