特定非営業活動法人ドリーム理事長の梅北健一です。脳卒中とは、脳の血管が破れたり、詰まったりして発症する病気で、後遺症を抱える人も少なくありません。私自身も脳卒中を発症した当事者のうちの1人です。
私は47歳の時に中国で働いていて、脳卒中になってしまいました。はじめは頭が痛いなあと思いましたが、だんだん強く痛くなり、知らないうちに意識が無くなっていました。その後18年間（2021年1月現在）、右半身麻痺、失語症を抱え生活しています。
中国の病院では当時、入院してもリハビリはありませんでした。発症から20日後にやっと日本に戻り、リハビリを始めました。最初は「動かない手や足は、そのうち良くなる」と信じていましたが、退院近くになると「この手や足は、ひょっとするとこのままの状態かもしれない」と悟りました。それは発症して初めて、その苦しみや辛さを理解した瞬間でした。脳卒中の後遺症を抱えた人の苦しみははかり知れません。だからこそ、そういった方たちを支援する団体の必要性を感じています。
特定非営利活動法人ドリームでは、脳卒中障害者の「生きがいづくり」を目的に活動をしています。当団体における全ての活動は、自己の利益のためではなく、社会貢献につながり、脳卒中を発症したからこそ担うことのできる「社会的役割」を活かすという特徴があります。これを実現するため「人とつながり社会と繋がる」「前進するための目標と勇気を得る」「自分と向き合い自分を愛する」という3つの理念を掲げています。
当団体の活動の一つが「就労支援」で、脳卒中障害者を対象とした小規模作業所を運営しています。対象を脳卒中に限定することで、同じ病気を経験した人同士につながりが生まれ、思いの共有、障害受容の促進が期待されます。仕事内容は、「当事者主体」「社会貢献」を掲げ、居場所づくり仲間づくりを得られる環境を整えています。
また、「脳卒中の情報を地域社会へ発信する啓発」にも力を入れています。脳卒中障害者の講演、治験モデルの派遣、書籍の発行など、脳卒中への理解や脳卒中障害者の思いをより広く伝える活動をしています。
これからも地域の皆様に温かい働かけや、脳卒中障害者の生きがいづくりを続けて行きたいと思っています。是非とも皆様のご理解とご協力をお願いします。

当法人の目指すべき姿は、脳卒中後遺症による中途障害者が生きがいを持って社会参加できる様、支援を行うことです。 その前提には、本人や家族、医療従事者や福祉専門職員など多くの方々の支えの元に、私どもの活動は成り立っています。 関係する全ての方々への感謝を忘れず、職員一同、邁進してまいります。
また、支援する側としては、常に変化する障害者を取り巻く環境の変化に対応しなければなりません。 変化から逃げ、同じことをしていては、その団体は弱体化していきます。 当法人では、新しい発想を大切にし挑戦ができる環境を整えることで、社会の変化に柔軟に対応し、職員・スタッフの成長、団体の成長を推し進めます。